UTMBチャンピオンとミシュラン二つ星シェフの対談・ポッドキャスト Crossed Paths by UTMB より
異業種の二人ですが、アヌシーを拠点に自然の中でのアクティビティを愛することが共通しています
HOKAの契約アスリートではなく、製品開発エンジニアというキャリアのヴァンサン・ブイヤール Vincent Bouillardが昨年のUTMBで劇的な優勝を果たしたことは大きな話題になりました。そのブイヤールが、フランス・アヌシー湖畔にあるミシュラン二つ星レストラン「オーベルジュ・デュ・ペール・ビーズ」のシェフ、ジャン・スルピス Jean Sulpice (FRA)と対談する様子がUTMBの公式ポッドキャスト「Crossed Paths by UTMB」で先月公開されました。
なぜシェフと対談しているのだろう、と思いましたが、調べてみるとこのジャン・スルピスさんは20年以上前に、まだ20代の時に自らの名前を冠したレストランのオーナーシェフとしてミシュランの二つ星を獲得しているフランスでは大変著名なシェフなのだそうです。同時にサイクリングやスキー、ハイキングの愛好家としてもよく知られているそうです。
このエピソードはフランス語なのですが、英語音声への吹き替え版も公開されていたのでその内容をご紹介します。
互いの紹介と贈り物 冒頭、2人が互いを紹介し、ヴァンサンはUTMBで使用したHOKAのシューズをジャンにプレゼントし、ジャンはミシュランガイドをヴァンサンにプレゼントします。ヴァンサンはこのシューズについて開発プロセスやその性能について話したほか、昨年のUTMBではトレイルのコンディションがよかったためレース中にシューズを交換しなかったというエピソードも披露します。
ジャンのキャリアと情熱 ジャンは、シェフとしてのキャリア、ミシュランの星獲得、そしてスポーツへの情熱について語離ます。スポーツが仕事のストレスを解消し、新たな視点をもたらす、と語ります。
心理的な側面 二人は、心理的な強さの重要性について意見を交わす。特に、目標達成へのモチベーション、周囲のサポート、そしてプレッシャーとの向き合い方について、それぞれの経験を語ります。
家族の重要性 二人はともに家族がキャリアとスポーツの両面で重要な役割を果たしていることを強調します。とりわけ、妻の存在が精神的な安定とサポートに不可欠であるといいます。
今後の目標 ヴァンサンは、UTMBだけでなく、他のレースへの挑戦も視野に入れているといいます。ジャンは、料理の腕を磨き、家族との時間を大切にするのが目標だ話します。
異なる分野で活躍する二人の共通点は、アヌシーというフランスのアルプスに近い自然豊かな街を拠点としていることと自然の中でのアクティビティを愛すること。やっていることは違っても、スポーツと仕事、家族を大切にし、そこから力を得て、最高のパフォーマンスを挙げている二人の話が次第に噛み合うところが面白いエピソードです。このポッドキャストのプロデューサーのセンスの勝利だと思いました。
ちなみに、UTMBチャンピオンのブイヤールの今年の目標や出場するレースが気になるところです。このエピソードの中では3月にイタリアで行われるChianti by UTMBに出ることは明らかにしています。そのほかウェスタンステイツについては、参加を目指す可能性はあるが目標に設定しているわけではない、今年のUTMBについてはまだ出るかどうかを決めていない、としています。とはいえ、Chiantiはゴールデンチケットレースとなっているので、Chiantiで上位に入ればウェスタンステイツの出場枠を獲得することになります。「UTMBのような100マイルレースは身体に負担をかけるので頻繁に参加するのは難しい」とも話しており、レース選びについては選択肢を残しつつも状況に応じて的を絞る、ということなのかもしれません。