私は自転車については全くの門外漢ですが、今年のツール・ド・フランスはYouTubeのライブ配信で時々見ていました。それがきっかけでYouTubeにおすすめされたのがGCNです。元は自転車競技のYouTubeチャンネルとして始まり、人気を集めるにつれて自転車競技のデジタルメディアとして事業化され、現在はメディア企業であるワーナー・ブラザース・ディスカバリーの傘下で運営されています。2019年にはその日本版としてGCN Japanが立ち上げられ、日本で独自のコンテンツが制作、配信されるようになりました。
先ほどYouTubeを見ていたところ、このGCN Japanが終了することがアナウンスされていました。さらにはこのGCNのサブスク型の独自動画配信サービスで、サイクルロードレースのライブ配信や独自制作のビデオコンテンツを配信する「GCN+」も12月19日に終了することがすでに発表されていることを知りました。
いずれも親会社の経営判断によるサービスの終了とのこと。自転車のレースのライブ配信はDAZNが手掛けていましたが2019年に撤退。入れ替わるようにGCN+が立ち上がり世界のファンのニーズに応えていました。GCN+の終了後はワーナー・ブラザーズ・ディスカバリー傘下のDiscovery+やEUROSPORTで視聴ができるようですが、これらのサービスは欧州の一部でしか展開していません。日本で引き続き視聴できるかどうかは、今後のメディア各社の動き次第となります。
筆者としてはトレイルランニングでの最近の動きと重ねて考えてしまいます。トレイルランニングではUTMBワールドシリーズの一部のイベントのライブ配信がYouTubeでの無料配信に加えて、昨年からコンテンツ配信プラットフォームで配信されるようになり、今年は欧州のEUROSPORT、フランスのL’Equipe、北米のOutside、中国のiQiyiで配信されています。Golden Trail World Seriesも欧州ではEUROSPORTで配信されているようです。報じられているところではUTMBワールドシリーズも現時点では配信プラットフォームから配信料を受け取っているところまでには至っていないようです。
最近のGCN JapanのYouTubeチャンネルでは、コロナ禍で大きく伸びた自転車業界のビジネスが最近は一転して減速していると伝えていました。この辺りは波の大きさは違うかもしれませんが、トレイルランニングでも同じような動きを感じます。ライブ配信やムービーなどのコンテンツ配信についてはこれからの成長が期待されているところですが、先行する自転車競技でこれからどうなるか、注目していきたいと思います。